自動車事故と逮捕
昨今高齢者による自動車事故が大きく報道されるようになり、先日も池袋で高齢者による死亡事故が発生してしまいました。
当該事件について、容疑者である高齢者が逮捕されないことについて、少なくともネット上では憤りの声が多いようです。
しかし、逮捕されるかどうかは結果の重大性とは必ずしもリンクしないのです。なぜかといえば、逮捕ができる場合というのは要件があり、罪証隠滅の恐れ又は逃亡の恐れが認められなければ逮捕はできません。
多数の目撃者がいる突発的な事故の場合、証拠はもう揃っていますし、証人への脅迫なども想定しがたいことから、罪証隠滅の恐れが高いとはいえません。逃亡の恐れについても、捜査への協力の姿勢や、年齢的に逃亡しながらの生活は現実的でないこと、大々的に氏名及び顔写真が報じられていることなどからすれば、あまり高くはないという判断がなされている可能性はあります。
もちろん、生じた結果については裁判上考慮されることにはなるかと思います。
高齢者の運転をどのように規制するかについては政治的な解決をすべき話であり、個々の事件で高齢者に厳しく対応することで抑制的な効果を得ようとするのは、公平という観点からすれば疑問です。