弁護士法人はるか|栃木宇都宮法律事務所

離婚相談事例紹介Ⅱ

相談前

最近夫から離婚してくれと何度も求められます。私は夫にも結婚生活にも特に不満はありませんので離婚したくありません。また,これまで家族旅行に行くなど,夫婦関係も円満であったと思います。このような場合であっても何度も離婚を求められた場合は離婚しなければならないのでしょうか。

相談後

離婚が成立するのは,夫婦間で合意した場合,及び,民法7701項に定められた離婚原因がある場合です。

本件では,妻が離婚したくないと考えているため,合意により離婚は成立しないと考えられます。

 次に,民法7701項に定められている離婚原因は以下のとおりです。

 ①配偶者に不貞な行為があったとき

 ②配偶者から悪意で遺棄があったとき

 ③配偶者の生死が3年以上明らかでないとき

 ④配偶者が強度の精神病にかかり,回復の見込みがないこと

 ⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき(ドメスティックバイオレンスやモラルハラスメント,長期間の別居など)

相談者からお話を伺ったところ,上記5つの要件に該当するような事情はありませんでした。そのため,直ちに離婚が成立する可能性は低いことを説明しました。

弁護士からのコメント

ご相談された時点では離婚原因がないと考えられますが,長期間別居が継続するような場合,将来的に離婚が認められる可能性はあります。婚姻関係を継続するためには,互いに婚姻関係を継続する気持ちがなければなりませんので,離婚を求められる原因を探し,それを改善していくことも必要になるでしょう。