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コラム

離婚

離婚 事例紹介

事例

相談前

先週妻の不貞行為が発覚しました。妻は不貞行為が発覚したことをきっかけに自宅から出て行ってしまったので,今後妻と離婚を考えています。これまでは私が妻の生活費も負担していましたが,この場合,に離婚までの間生活費を支払う義務はありますか。

相談後

婚姻関係が継続している間,夫婦の扶養義務に基づき,生活費(これを,法律的には婚姻費用といいます。)を支払う義務があります。一般的に稼ぎの多い配偶者が他方配偶者に婚姻費用を支払う必要があります。
 相談者の家庭もこれまでは夫から妻に対して生活費を支払っており,これは夫が妻よりも収入が多かったためです。
 そのため,上記原則に基づけば,夫は離婚まで妻の婚姻費用を支払う必要があるとも思えますが,他方で不貞行為を行い,家庭の平穏を壊したにもかかわらず,生活費を支払わなければならないのかとお考えになるのは当然のことであると思います。
 判例上,妻の不貞行為により婚姻関係が破綻した場合,信義則に照らして婚姻費用を支払う必要がないと判断されることがあります。そのため,今回のケースでも夫は離婚までの婚姻費用を支払う必要はないと考えられます。
 ただし,夫婦間に子どもがおり,子どもが妻と一緒に別居を開始した場合,子どもの分の婚姻費用を支払う必要がありますので,その点には注意が必要です。

 妻の不貞行為したことが原因で別居した場合は,婚姻費用の支払義務を免れる可能性がありますが,不貞行為を行い,婚姻関係が破綻したことを立証する必要があります。未払の婚姻費用があると後でまとめて支払わなければならない可能性もありますので,安易に配偶者が不貞行為をしたと決めつけず,婚姻費用を支払うか否かは一度弁護士にご相談されてから判断されることをお勧めします。

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