連帯保証人がついている賃貸借契約でよくあるケースですが,
大家さんが,賃貸借契約更新の際に,賃借人に簡単な更新書面の提出を求めるだけで,連帯保証人について再度の更新手続きを要求しない場合があります。
この場合,更新後の賃貸借契約に関しては,保証人は責任を負うのでしょうか?
この点については,最高裁判所の判例があります。
「期間の定めのある賃貸借において,賃借人のために保証人が賃貸人との間で(連帯)保証契約を締結した場合には,特段の事情がある場合を除き,契約更新後の賃貸借から生じる賃借人の債務(滞納家賃の支払義務など)についても保証人としての責任を負う」
この判例からすれば,原則として保証人の責任は賃貸借契約更新後も存続することになります。
保証人になろうとする者は将来契約が更新されることを当然に予測できるのだから,更新後の債務について責任を負わせても不合理ではない,というのがその理由です。
「契約更新時に改めて連帯保証人になった覚えはない!」という言い訳は,特段の事情が無いかぎり通用しないことになります。
賃貸借契約は長期にわたることが多く,保証人になったことを忘れてしまっているケースも少なくありません。
身に覚えのある方は,何かの機会に,確認してみることがいいかもしれませんね。
弁護士 遠藤