最近の無罪判決について
近時、性犯罪に関する無罪判決が相次いでおり、それに対して批判的な意見も多いところです。主張立証関係を見てみないと何とも判断できないところではありますが、裁判所批判的な意見の多くはあまり当たらないのではないかなあと思います。
たとえば、血縁者同士での性交渉が倫理的に問題だというのは、どちらかといえば法整備の問題になってきます。
刑事訴訟法上、有罪であるとの確信が得られない場合には無罪判決を下さざるをえないということについても、現行法上は仕方がないことです。真犯人を必ず捕まえる代わりに、多少冤罪が発生しても構わない、というのも一つの考え方ではありますが、現行法はそのような立場をとっていません。
判決について考えるときは、法律がそもそもおかしいのか、裁判所の経験則の適用の方法がおかしいのかは区別して考える必要があります。