特別受益
特別受益とは被相続人の生前に生活費や学費、結婚などに際して、被相続人から資金の提供を受けた相続人があるときは、相続分を先にもらったものとして遺産分割の金額を調整する制度です。
これに関しては、資金供与の証拠があいまいであることも少なくなく、相続人間で紛争の要因になることがしばしばあります。法律に沿った的確な解決が必要です。また支払いが行われた証拠を早く確保しておくことも重要です。
一部の相続人による相続財産の不正取得
一部の相続人(被相続人の世話をするなど財産を管理できる立場にあった人の場合など)が、隠密裏に相続財産を取得することがあります。こういった場合、他の相続人との間でトラブルとなることが多々あります。
遺言書
遺言書については、公正証書遺言の場合はトラブルの余地がは少ないですが、自筆証書遺言の場合その要件が満たされているかどうか本人の筆跡であるかどうか等、トラブルが生ずることがあります。
弁護士法人はるかは、これらのケースにおいても、解決までの近道を迅速に提示致します。
遺留分侵害額請求について
不公平な遺言により「遺留分」に相当する財産を受け取れないケースもでてきます。不足分を取り戻すために「遺留分侵害額請求」する権利がありますが、期限が設定されており、その期限を過ぎてしまうと、遺留分侵害額を請求する権利が消滅し、「遺留分」を受け取ることが困難になりますので注意が必要です。
- 遺留分侵害額請求権の消滅時効:相続が開始したことと遺留分が侵害されていることを知ってから1年、但し、遺留分侵害を請求される人が消滅時効を主張しなければ、時効後も請求が可能となります。
- 遺留分侵害請求権の除斥期間:被相続人が死亡してから10年
- 金銭債権の消滅時効:遺留分侵害額請求を行使してから5年間
遺留分における金銭債権とは、侵害されている遺留分に相当する金銭を請求できる権利のことです。せっかく遺留分侵害額請求をしたにもかかわらず、金銭の請求を放置してしまうと、その金銭債権が消滅時効により遺留分に相当する金銭を取り戻すことが事実上困難になります。
非上場株の相続について
非上場株は相続税が最大55%にもなるほど高く、通常売却も難しく、相続するメリットはあまりなく、相続税の納付期限は被相続人が亡くなってから10ヶ月以内と定められていることや、他の相続税のように物納で納めることが困難なため、非上場株の相続税の支払いだけで経済的に苦しくなる可能性もります。
非上場株を相続したくない場合は、売却か相続放棄の選択を考えることをお勧めします。しかしながら、相続人が会社の後継者である場合は、引き続き経営を続けていくために非上場株を相続する選択が必要になると思います。その際に行うべき非上場株の相続の流れは、次の通りです。
非上場株を相続する手順
非上場株式の相続を株式発行会社に申し出る
税理士や会計士に非上場会社の株式の評価を依頼し、相続税を算出する
相続人間で遺産分割協議を行う
株主名簿の書換えを行う
相続税の申告、納付の手続きをする
非上場株を相続する場合は、特例が使える場合もありますので、相続税を軽減するために特例を利用できるかも含め、弁護士法人はるかにご相談下さい。
不動産の相続の特例や控除
相続財産は
- 預金
- 株式、保険などの金融商品
- 不動産
が主なものです。不動産については、相続税を軽減する措置として次のものがあり、その利用を考慮して遺産分割をすると相続人全体で支払う相続税の額が減り、メリットがあります。
小規模住宅地等の特例(一定の条件を満たす場合)
配偶者の税額控除(全ての配偶者が対象)
贈与税額控除(生前贈与の贈与税を支払っている場合)
未成年者の税額控除(相続人が未成年の場合)
不動産が面積基準をクリアするように集める。親族間で隣地の売買を行う。親と子が共有で土地の相続をするなど
障害者の税額控除(相続人が85歳未満の障害者の場合)
また、土地を相続すると所有権が被相続人(亡くなった方)からその土地を相続した相続人に所有権が移転するためそれに対応して、相続を原因とする所有権移転登記をすることになります。
従前、移転登記を長い間しないでいた例が少なからずあり、また、登記所などもそのことについて何か言うことはありませんでした。2022年時点では名義変更(相続登記)の義務はないのですが、民法改正により、2024年4月1日以降に相続登記が義務化されることが決定しています。
義務化された後は、不動産取得を知った日から3年以内に相続登記しなければならず、登記をしない場合は、罰則(過料)もあります。
弁護士法人はるかでは、各相続人の生活状況や要望、及び相続税の観点から最適な遺産分割を調整致します。